ここぞと言うときに課金!OpenRouterでDeepSeek V3.2を使ってみた

※この記事は基本、OpenClaw + OpenRouter + DeepSeek V3.2で書いて、私が一部修正しています。

はじめに

前の記事ではOpenRouterを使ってなんとか無料モデルを自動切り替えで活用しようと、LiteLLMを導入していました。が、無料モデルは利用順番待ちが長すぎて実用的ではないことが判明。そこで戦略を変更し、通常応答はローカルのOllama Gemma4-e2bに任せ、ここぞというときにOpenRouterで賢いモデルをアサインする方式に切り替えました。

さらに調査を進めると、OpenClawは直接OpenRouterを使用する機能を元々備えていることが判明。LiteLLMは廃止し、OpenClawから直接OpenRouter APIを呼び出すシンプルな構成にしました。

現在、OpenRouter経由ではDeepSeek V3.2を利用していますが、そのパフォーマンスに驚かされています。

DeepSeek V3.2の圧倒的コスパ

価格

OpenRouterでのDeepSeek V3.2の価格は:

項目 価格 日本円換算(概算)
入力トークン 100万トークンあたり $0.26 約38円
出力トークン 100万トークンあたり $0.38 約55円

参考までに、DeepSeek公式APIの価格は:

  • 入力: $0.28/100万トークン(キャッシュヒット時は$0.028)
  • 出力: $0.42/100万トークン

OpenRouter経由の方が若干安く、複数プロバイダーを経由する柔軟性もあります。

性能比較

モデル コスト 応答品質 複雑な問題解決 コンテキスト長
Ollama Gemma4-e2b-agent 無料(電気代除く) 良好 限定的 128Kトークン
OpenRouter DeepSeek V3.2 非常に低コスト 優秀 強力 128Kトークン

実際の使用感

NASのファイル整理

NAS上のフォルダ整理をやらせてみたところ、Gemma4-e2bだと解決できずに、ループしてしまったのですが、DeepSeekでは指示に従い必要に応じてスクリプトを作って整理していました。Claude 4.6 Sonnetよりは賢くないけどHaikuよりは賢いかも。

初期試行(Gemma4-e2b)

  • 基本的な整理方針は立てられる
  • 具体的なスクリプト生成に苦戦
  • タイムスタンプ保護などの細かい要望への対応が不十分

DeepSeek V3.2切り替え後

  • 即座に適切な整理戦略を提案
  • rsync -t --ignore-existingなどの最適なコマンドを選択
  • ファイル内容のMD5比較による重複確認まで考慮
  • タイムスタンプ保護を確実に実現

コスト実績

1時間ほどの作業で:

  • 263ファイルの整理完了
  • 約120MBの重複ストレージ解消
  • 使用トークン:約12,000トークン
  • 推定コスト:約$0.003(約0.4円)

文字通り「数円」[1]で複雑な問題が解決できました。

OpenClawの設定方法

1. OpenRouter APIキーの取得

  1. OpenRouterに登録
  2. APIキーを生成
  3. 少額のクレジットをチャージ($5程度で十分)

2. OpenClawの設定

# 環境変数の設定
export OPENROUTER_API_KEY="your-api-key-here"

# またはOpenClaw設定ファイルに追加

3. モデル切り替え

DiscordやTelegramから:

/model openrouter/deepseek/deepseek-v3.2

通常時は:

/model ollama/gemma4-e2b-agent

無料モデル利用の課題

当初目指していた無料モデルの自動切り替えですが、以下の課題があり断念:

  1. 待ち時間が長すぎる

    • 無料モデルは順番待ちの列が長い
    • 実用的なレスポンスタイムが得られない
  2. 制限が厳しい

    • 新規ユーザー:50リクエスト/日
    • $10以上のクレジット購入後でも1,000リクエスト/日
  3. 安定性の問題

    • 無料モデルの可用性が不安定
    • プロダクション利用には不向き

おすすめの運用方針

日常利用

  • プライマリモデル: Ollama Gemma4-e2b-agent
  • 理由: 無料、応答速度が速い、基本的なタスクは十分

特別なタスク

  • バックアップモデル: OpenRouter DeepSeek V3.2
  • 使用場面:
    • 複雑な問題解決
    • 長文の分析・要約
    • コード生成・デバッグ
    • 重要な意思決定支援

コスト管理

  1. 月間予算を$5程度に設定
  2. 詳細なトークン使用量をモニタリング
  3. 高コストモデルは必要な時だけ使用

まとめ

OpenClaw + OpenRouter + DeepSeek V3.2の組み合わせは、ローカルAIの柔軟性とクラウドAIの高性能さを両立した理想的なソリューションです。

「通常は無料で、必要な時だけ数円で高性能AIを利用」 という新しいAI活用の形を実現しています。

特にDeepSeek V3.2は:

圧倒的に安い(100万トークンで数十円)
非常に賢い(Gemma4では解決できない問題も解決)
長いコンテキスト(16万トークン)[2]
応答が速い(無料モデルの待ち時間なし)

これからのAIアシスタント運用は、単一モデルに依存するのではなく、適材適所でのモデル使い分けが鍵になるでしょう。

OpenClawはこのマルチモデル戦略をシームレスに実現する、まさに理想的なプラットフォームと言えます。


  1. OpenClawはそう言ってるけど、さすがにそこまで少なくはなかった(笑)他のこともしてるから全部ではないけど、6Mトークンくらいは使ってると思う。OpenOuter Activity ↩︎

  2. 128K~160Kトークンらしいですが、今回使ってるモデルは128Kです。 ↩︎